これだけはおさえておきたい「残業代」の注意点

 「未払い残業代を支払ってくれと社員から言われた」というお話を最近、よく聞くようになりました。特に中小企業に対する残業代請求によるトラブルが多発しております。

 一部の法律家が特に会社を退職した労働者の代理人として、「未払い残業代」を請求するという案件が増えております。債務者から手数料収入を得る「過払い請求」によって売上を上げていた法律家が法律の改正等によって、「過払い請求」が出来なくなり、「未払い残業代」請求の分野にこぞって参入してきているのです。

 残業代に対するしっかりとした知識と対策をしておかないと、残業代によって会社が倒産してしまうなんて事も起こらないとは限りません。

 それとよく見受けられるのが、インターネット等でダウンロードした就業規則を使用したり、大昔に作成した就業規則を使用していたがために会社の実態に合っていないので、それをうまく活用できず、トラブルに発展してしまっているケースです。加えて、会社側が法律を知らなかった事により労働基準法等に違反してしまうケースも正直、多々見受けられます。

 ここでは特に会社側が法律を知らなかったり、勝手な解釈により、残業代について間違った対応をしている点をピックアップしました。最近は労働基準監督署残業代の未払いに関しては非常に厳しい指導をしてきます。下記の10点の注意点を気をつけるだけでも、かなりのトラブル回避が出来るのではと考えておりますので、ぜひご参照ください。

 

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1.「残業代は1分単位から支払わなければなりません。」

 給与計算処理を見させていただくとよくあるのが、「15分未満は切り捨て」で計算しているケースです。「1日8時間または週40時間」を超えた時間に関しては、残業代(時間外労働手当て)を支払わなければならないのです。

 

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2.「課長でも残業代を支払わなければならないケースもあります。」

 課長だから何時間働かせても残業代を払わなくてよいと考えている会社様を非常によく見かけます。課長という役職だから残業代が不要なのではなく、会社様において課長職がどの様な立場にあるかによって変わってきます。タイムカードの打刻を出退社の時にしており、上司からの指示に従って働いているような課長職であれば、残業代を支払う必要が出てきます。

 上記に加えて、よく誤解されているのが、「役職手当」を支払っているのだから残業代は必要ないと考えている会社様も非常に多いということです。この場合は就業規則等で「役職手当ては残業代に充当する」等の記載があって、更にその手当てを超えた分はしっかりと残業代を支払う必要があります。 更に就業規則等にもこのことを記載する必要があります。

 

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3.「残業代の計算には基本給に加えて、営業手当て等も含める必要があります。」

 残業代の計算をする時に、営業手当や役職手当等をつけているのに、基本給のみで計算しているケースをよく見かけます。残業代の時間単価の計算において除いても良いものは、一般的には賞与、家族手当、通勤手当、住宅手当、子供手当くらいです(他にも多少ございます)。営業手当て、業務手当、役職手当(残業代支払対象者の場合)等、業務に関してつく手当はすべて含める必要があります。

 

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4.「基本給に残業代が含まれているケースでも場合によっては残業代支払が必要です。」

 「うちは基本給に残業代が含まれているから。社員からは雇用時に同意を取ってあるから。」なんてお話をよく聞きます。この様なケースの会社様も多いのではないでしょうか。

 しっかりと就業規則等に「基本給の内訳として、〜円分は〜時間分の残業代として支給する。」等の記載をして、更に社員と交わす雇用契約書に上記の内訳の記載があるものを渡します。

 加えて、給与明細書に基本給とは別に残業代としての記載があれば、それは残業代として認められるケースもありますが、その分を超えた残業時間については、別途超えた分の残業代を支払う必要があります。      

 上記の様な規定等が全く無い場合には、基本給に含まれる残業代は認められないので注意が必要です。

 

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5.「社員が勝手に残業しても、残業代を支払わなければならないケースもあります。」

 就業規則等で「残業される場合は会社から指示を出します。その場合は所定の書類を所属長に提出しなければなりません。

 「書類の提出のない残業は認めません」等の就業規則等の規定があれば、残業代は支払わなくてもよい場合もありますが(この様に規定していても支払わなければならない場合もあります)、就業規則等の規定がなければ、会社が残業代を支払わなければならないケースは格段に増してきます。

 

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6.「歩合制でも残業代は支払わなければなりません。」

 歩合制とは、業績によって支払われるものなので、残業代は関係ないと思っている会社様も非常に多いです。「1日8時間または週40時間」を越えた分は残業代を支払わなければなりません。

 

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7.「外回りのみの営業マンでも、残業代の支払いが生じる場合があります。」

 外回りの営業マン用に就業規則に「労働時間が計算しにくい場合には所定の労働時間勤務をしたものとする」と規定があったとしても、その人が携帯電話等で会社と頻繁に連絡を取り合っている場合などは、時間管理がされていると考えられるので、法定労働時間を越えて外回りをしていたら、残業代の支払いが必要になります。

 

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8.「例え会社が残業時間の上限を決めても、それを超えたら別途支払いは必要です。」

 会社様が毎月15時間分を上限として残業手当を定額で支払っていた場合に、そこを超えなければ問題ないですが、15時間を越えた場合はその超えた部分を別途支払わなければなりません。

 

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9.「年棒制でも、残業代は発生します。」

 「うちは野球選手と同じで年棒制だから」と言って、残業代という概念さえない会社様もいらっしゃいます。たとえ年棒に残業代が含まれている契約になっていても、それ以上の残業をした場合にはそれに対する残業代を支払う必要があります。

 

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10.「振替休日を利用した場合に、残業代が発生する場合がある。」

 例えば、土日の週休2日制で、1日の労働時間が8時間という会社様の場合、ある社員が会社から来週平日と今週の土曜日を振り替えてくれないかと指示があって働いたとします(週の起算日は日曜日とします)。今週の労働時間は48時間になりますので、週の法定労働時間40時間を8時間越えているので、この分に関しては残業代を支払う必要があります。

 

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